カビが取れたのに変な臭いがする。/カビ取り侍を使ったあとに発生する異臭の原因は何か

カビ取り掃除後の
変な臭い

カビが大量に発生していると土臭い、細菌が繁殖していると酸っぱい臭いや生乾きの臭い、たばこはヤニ臭い、料理や車の排気ガスはあぶら臭い、エアコンにカビや細菌が繁殖すると汗臭いなど悪臭は多岐に渡ります。

微生物が出す臭いはカビ取り剤やアルコール消毒剤で消臭できますが、使ったあとに異臭が発生する場合があります。

これはすべての塩素系カビ取り剤で同じように発生しますが、今回はそのお問い合わせ内容を掲載しました。

(ここでは漆喰を例にしていますが、マットレスや木材、畳、コンクリートでも発生する内容です)

カビが漆喰の壁に生えたのですが御社のカビ取り侍で無事綺麗に落とせました。しかしカビ取り剤とは違う異臭が残っているのですがこの原因を教えてください。

部屋全体または近くで嗅いだときに感じる臭いによって原因が異なります。

また使用した素材に含まれる成分によっても異臭の原因が異なります。

そしてカビ取り剤の成分自体にも特異臭がします。このことを参考に以下をご覧ください。

部屋全体

カビ取り剤、過炭酸ナトリウム、エタノールをカビ・細菌に使うとこの生物達は分解されるのですが、分解されるときの化学反応で塩素臭とは違う異臭が発生します。料理を作ったときと同じでこの臭いが部屋全体に付いてしまっているので換気を続けてください。

自然分解されれば悪臭は消えます。

近くで感じる臭い

これは主に水分を吸収する素材で発生する内容です。例えば漆喰等の塗り壁、コンクリート、無塗装の木材、畳、マットレスや敷布団で発生します。

まず一つ目は、まだ微生物(カビ・細菌)が残っている可能性です。

カビ取り剤は微生物が分解されるまで攻撃を続けるので、その影響で異臭が発生している場合です。例えば「餅」はカビが生えている場所以外にも目に見えない菌糸が伸びている。と言いますがマットレスや敷布団も同様です。

目に見えない菌糸が十分に除去されるまで作用が続きます。洗濯機で丸洗いできるものは臭いが残りませんが、マットレスのように大型物は丸洗いできないので念入りに水拭きを繰り返して成分を蒸発させましょう。

二つ目は、カビ取り剤をかけ過ぎている可能性です。

使用上の注意に記載されている通りカビ取り剤をかけ過ぎると上記素材に吸収され内部で自然分解を開始します。カビ取り剤自体にも特異臭がするので、菌の分解・除去が完了しても異臭がします。

よってかけ過ぎてしまった場合も念入りに水拭きを繰り返してください。

三つ目は、他の汚れと化学反応を起こしている可能性です。

大量の皮脂・汗、油汚れ、排気ガスの黒ずみ、タバコのヤニ、水垢、天然繊維のホコリ、木材の場合は経年劣化で表面が黒くなる「灰汁」があります。

この汚れが水分を吸収しやすい素材の表面に付着していて、上記の洗剤で溶かされ、素材に吸収されてしまう現象です。

カビ取り剤に限らず高濃度のエタノール、強アルカリ洗剤、強酸性洗剤でも同様に発生します。

プロ業者の場合は中和剤で対策できますが、一般の方は念入りに水洗いして自然分解を促進させましょう。

異臭を発生させないポイント

使用方法(または取扱説明書)に記載されている通り、異臭は様々なことが原因で発生します。

そのためまずはカビ以外の汚れを簡単に清掃してください。すると「三つ目」の悪臭が発生しにくくなります。

そしてカビ取り剤をかけ過ぎると臭いが続いてしまうので、表面が薄っすら湿る程度にスプレーして放置します。

※乾燥後、カビが残っている場合はこれを数回繰り返して除去します。

カビが綺麗に取れたら水拭きをして十分に乾燥させてください。

発生している異臭を消臭する

異臭を消臭する場合はカビ取り剤の成分が蒸発するように工夫します。※三つ目の場合も同様です。

例えば念入りに水拭きする。エタノールで乾燥を促進する。水拭きのあとに扇風機やエアコンを当てる。直射日光で蒸発させる。などです。

プロ業者はクエン酸またはチオ硫酸ナトリウムを500倍ほどに薄めて散布します。この方法だと3時間もかからずに消臭できます。

しかしカビ取り成分が十分に乾燥してからでないと急激に塩素臭が発生するので注意が必要です。(まぜるな危険のため)

ただし、カビ取り剤の主成分である次亜塩素酸ナトリウムは水道水に含まれている通り自然分解しやすいものです。

いずれ消えてなくなりますので、目安としてプールの塩素臭ほどになれば安全です。

水拭きできない場所

水拭きは必要ですか?と質問を受けることがありますが、水拭きをすれば成分が回収できて防カビに繋がるのでお勧めです。

カビが分解されると頑固な細胞壁(カビのカス)だけは残ります。透明で小さいので見えませんが、いずれ他のカビのエサとなります。

水洗いまたは水拭きしないということは「食器の食品汚れを食器洗剤で溶かして、水で洗い流さない」ことと同じです。

しかし漆喰・珪藻土など水拭きするとポロポロと取れてしまうものは、水拭きを諦めて十分に乾燥させてください。

塩素臭が続いてしまいますが、カビ汚染はストップできたのでカビによる腐敗を避けることができます。

プロ業者はクエン酸またはチオ硫酸ナトリウムの500倍希釈を仕上げに噴霧して、乾燥させたのち防カビ剤を噴霧します。

水洗い・水拭きできない場所はカビのカスが残っているので、せめて仕上げの防カビ剤を使ってカビ対策した方がいいでしょう。

ちなみに当店の防カビ侍アルコールタイプ・強力被膜コートタイプは、弱い塩素臭や異臭を消臭する作用がありますのでお勧めです。