マットレス 敷布団 シーツ等の
白い布製品のカビ取り方法と
注意点
このカビは湿気が多い場所に斑点状に繁殖する黒カビで、ゴシゴシ擦っても取れない頑固な黒カビ↗に成長します。お風呂に発生する黒カビに似ていて、アルコール除菌剤で擦ってもシミが取れません。
このカビは付着している皮脂・汗・ホコリなどの栄養分を、ゆっくりと分解して吸収するので定期的な洗濯をしなかったときに発生します。こちらのページでは、その布生地製品に発生した頑固な黒カビを取る方法と注意点を掲載しています。
目次
こちらのページではレースカーテンカビ取り方法↗が重複していますのでご了承ください。
■適切な洗剤を選ぶ
初めに適切な洗剤の探し方をご紹介します。
カビは「胞子」と「菌糸」でタンポポのように成長して、ホコリ状の粉カビに変化します。
目に見えるほど育つとかび臭さを感じます。
そして強く根をはりながら「色素」を出して自身を染めます。
(この時点で人間の目でも色が分かるようになり、アレルギー認定される危険な状態です)
ミカンには胞子を黄緑色に染めるカビ、風呂のゴムパッキンは菌糸を黒く染めるカビというように、そのカビの種類によって色素を出す部分は様々ですが、多くの黒カビは菌糸を染めるので素材自体が黒くなってしまうのです。
この色素沈着した状態を「カビのシミ汚れ」といい、ゴシゴシ擦っても取れないので「B」で説明している頑固カビに該当します。
この中で特に人体や家に悪影響を及ぼす部分は、カビの「菌糸」と「胞子」なので覚えておきましょう。
カビが全く取れない
次に、この頑固カビにアルコール除菌剤を使った人はすでにご存じかもしれませんが、擦っても全く取れないのでビックリするでしょう。
上記でお伝えした通り、菌糸を黒く染めるカビが布製品の栄養を吸収しながら色素を作ったので、色素が取れない洗剤では落とせないのです。
そのため、この頑固カビを取るには菌糸・胞子を除去して、色素(シミ)を分解できる3つの作用がある洗剤が必要なのです。
今までの内容を参考にすると、アルコール除菌剤だけでは色素が分解できないので①までが限界です。
ただしカビは③まで綺麗にして人体に有害な菌糸・胞子を残さないようにしなければいけません。
カビ取り剤以外の方法はある?
カビ取り剤以外の方法は、町のクリーニング屋さんに相談する方法がありますが、基本的に「カビは取れません」と言われてしまいます。
家具屋さんに相談をしても買い替えを勧められるでしょう。
しかしカビのために大きなカーテン・敷布団・マットレスなどを買い替えするとなると、廃棄や配送など大きな手間と費用がかかります。
物によっては合計5万円以上かかる場合がありますし、買い替えてもカビが再発しないわけではありません。
そのため買い替えを控えたい場合は、カビ汚染が拡大するのを防ぐために塩素系カビ取り剤を使うしかありません。
ただし塩素系カビ取り剤を使わず、除菌と防止だけする方法も掲載しています。
カビのシミは取れませんが、ご興味がございましたら本ページの「変色を避けたい場合↗」をご覧ください。
■おすすめ商品
アルコール除菌剤では取れないことが分かりましたので、続いてカビ取り剤をご紹介します。
まず、弱いカビの場合は過炭酸ナトリウムやオキシドールでも取れることがあるのでお試しください。
しかしそれでもカビのシミが取れない場合は、分解・漂白作用が強い塩素系カビ取り剤を使いください。
カビ取り侍液スプレーシリーズ
まずカビを除去する製品はこちらです。
基本的には「標準タイプ」で問題ありませんが、マイルドにカビ取りしたい場合はカビ取り侍の中で一番優しい「木材・畳用」をお使いください。※マイルドは除去に時間がかかります。
カビ取り侍は成分が自然分解しやすいように泡立ちを少なくしたカビ取り剤です。お風呂のカビ取り剤のように泡スプレーではなくミストスプレーです。
濃度が高すぎるカビ取り剤では繊維が傷む恐れがありますので、濃度調整された「カビ取り侍」を使って落とします。
カビ取り侍木材・畳用は文字通り「木材と畳」用に濃度調整されているので取扱説明書等には布生地製品への使用方法は記載されていません。
仕上げに使う防カビ侍シリーズ
カビ取り侍で対象面のカビを除去しても、また湿気が溜まる場所に戻すとカビてしまいます。
カビ予防(定期的な換気)ができない場合は、カビの再発を防ぐ防カビ侍を同時にお使いください。
2種類ありますが「除菌作用が欲しい場合はアルコールタイプ」「アルコールが苦手な場所は水性タイプ」です。
基本的には防カビ侍アルコールタイプで問題ありませんが、アルコールが苦手な方は無臭の「水性タイプ」をお選びください。
カビ取りにはお掃除で使う「カビ取り剤」と仕上げに使う「防カビ剤」があることを覚えておきましょう。
■使い方(使用方法)
使用するカビ取り剤が分かったので次は使い方です。
初めにマットレスや敷布団のシーツ(またはカバー)がカビている場合はシーツを取り外してください。
シーツを付けたまま使うと、内部のクッション材が変色(または塩素臭が消えない)する場合があります。外せない場合はかけ過ぎないようにしましょう。
続いて目立たない場所に生えたカビへ液剤を付けて30分ほどパッチテストをすると、素材の変色や傷み、カビへの効果を確認できます。
液剤が垂れてもいいようにビニールラップや雑巾を床面に敷いておきましょう。
カビ取り掃除の準備をする
- カビ取り侍
- 防カビ侍
- 絞った雑巾を2枚ほど
- ビニールラップなど(任意)
- 歯ブラシなどのナイロンブラシ(任意)
- カビを吸い込まないように換気する
カーテンなど取り外しできるものは変色しにくい浴室などに移動してからカビ取りしましょう。
|カビ取り侍液スプレーの使い方
標準タイプ、木材・畳用共に使用方法は同じです。
画像のマットレスはカバーが取り外せなかったため、様子を見ながらカビ取りをして40分ほどで除去できました。
- カビ取り侍をかけ過ぎない程度にスプレーします。
- そのまま10~30分間ほど放置します。すると黒いカビがグレー→黄色に変化します。
- この時点で塩素臭がするので換気しましょう。
- まだ残っている部分があれば、成分がしみ込まない程度に追加でスプレーします。
- 頑固な場合は歯ブラシなどで優しく擦ってみましょう。
- 1~3を根気強く繰り返すとカビが溶けてシミが抜けます。
- カビか綺麗に取れたら、軽く絞った雑巾で水拭きします。
- 水拭きすると塩素臭が消えやすくなります。
- 乾燥すれば自然分解します。
変色が心配な場合は「標準タイプを2~3倍」「木材・畳用を2倍」に薄めて使いましょう。
ただし薄めても極度な変色を起こさないだけで変色しないわけではありません。
当店ではカビ取り剤を使ったあとに「水拭き」を推奨しています。詳しい理由は「水拭きの必要性↗」をご覧ください。
水拭きできない場合の対処方法も掲載しています。
洗濯機に入るものは洗濯して、カビ取り成分やカビの予備軍を洗い流してしまいましょう。
|防カビ侍シリーズの使い方
次に防カビ侍の使い方です。非塩素系なので塩素臭はしません。
一度でもカビが生えた場所は次もカビやすい場所です。浮遊しているカビ胞子が付着して再発しないように防カビ侍で布生地製品を守りましょう。
- カビ取り侍を使用した部分を完全に乾かします。
- カビ取り侍を使ってから7日間以内に防カビ侍を使いましょう。
- 防カビ侍をムラなくたっぷりとスプレーします。
- 拭き取らず乾燥すれば安全です。
これで仕上げの防カビコートは終了です。
防カビ侍は、カビ取り侍が自然分解しやすい作りなので効果を発揮できます。他のカビ取り剤では残留量が不明なので、防カビ成分が消耗してしまう場合がありますからご注意ください。
■カビ取りの目安&シミが残ったとき
実際、上記画像のカビを除去するのにかかった時間は40分ほどでした。運よく繊維の傷みが酷くなかったので綺麗になりました。
カビは胃液のようなものを出して、菌糸を伸ばしながら「虫食い」のように素材を傷めるので、酷くカビているとシミが残ります。
傷んでしまったものは、いくらカビ取り剤でも戻せません。
また濃度を上げれば素早く除去できることもありますが、風呂場の素材と比べると塩素系洗剤に弱いので代償として素材が傷みます。
上記の理由からカビ取り掃除の基本は適切な濃度でゆっくり根気強く除去することなので、目安としてカビが以下「3」の薄い灰色になればカビは除菌されています。
カビの危険な部分は冒頭でもお伝えした通り菌糸と胞子なので、残っているシミはカビの色素ですから特に害はありません。
「4」まで綺麗になる条件は素材自体が傷んでいなかったときです。新品と見分けがつかないほど綺麗になるでしょう。
繰り返しますが繊維製品はお風呂場の素材と違うため、シミを取るために無理をすると素材を傷めてしまいます。
黒いシミが残ると見た目が悪いかもしれませんが、カビ取り剤と素材の両方に限界があるので、無理せずお掃除を終わらせることも重要です。
これで「D」の布生地製品のカビ取りとカビ防止掃除は終了です。数万円の出費を数千円で抑えられました。
頑固なカビでも「カビ取り侍+防カビ侍+換気状況改善」で徹底的にカビ対策・カビ予防をすればカビが生えてこなくなることもあります。
ご不明な点がありましたらお気軽にお問い合わせください。
注意点を確認する
■色柄物製品には使用できません
冒頭で頑固な黒カビを取るには胞子・菌糸・色素の3つを取り除く必要があるので塩素系カビ取り剤が必要とお伝えしました。
ただし、カビの色素(シミ)を分解するのと同時に、布製品の着色剤まで分解してしまうので色柄物製品への使用はできません。
例えば黒色は赤~薄いオレンジ、ベージュは白っぽく変色(色落ち)するでしょう。
しかしカビを放置していると汚染が広がって胞子を飛ばしながら悪臭を出し、そのカビ臭にダニ・チャタテムシが誘発されるのでアレルギーの危険性が高まります。
クリーニング店でも「カビのシミ取り」は断られてしまうことが多いので、変色よりも家族の健康のためにカビ取りを優先する場合はお使いください。
■マットレスや敷布団の変色(色落ち)
こちらは商品説明欄にも掲載されている注意点です。
使用方法に記載されているとおり「かけ過ぎてしまう」とさらに悪化するので注意してください。
カバー・シーツが取り外せない場合は以下の注意点を確認してお客様のご判断でお使いください。
ウレタンクッションの変色
マットレス内部のウレタン素材に使用すると必ず黄変します。これは材質的に避けられません。
しかしカビを取るには買い替えかカビ取り剤しかありませんので、「シーツで隠れるから気にならない」という場合はお使いください。
マットレスや敷布団の変色
マットレスや敷布団は大型なので定期的な洗濯ができません。すると皮脂や汗が蓄積していきますが外見では汚れているか判断できません。
そこに汚れを溶かす作用があるカビ取り剤やアルコールを使うと、今まで溜まっていた汚れが一度に溶けだしてカバーに汚れ移りを起こしてしまいます。
赤く変色する
日焼け止め剤に含まれている成分がシーツに付着していたり、シーツに蛍光増白剤が含まれていると、日焼け止めは赤、蛍光増白剤は紫に変色します。
クレンジング剤で落ちることもありますが、両方ともカビのエサになる成分なのでご注意ください。
布製品が黄色くなる現象は、次亜塩素酸ナトリウムが汗や化粧品と化学反応を起こして「塩素焼け」という状態になっています。
シャツの首回りが黄色や茶色になる現象と同じです。害はありませんが、汚れが蓄積しているとこの変色が起こります。
シーツ等の塩素焼けは還元系漂白剤で戻る場合がありますのでお試しください。
■布生地の洗濯表示について
敷布団やマットレスにはタグが付いていて洗濯方法がマークで表記されています。
その中に漂白というマークがあり、生地を塩素系漂白剤で白くすることができる素材かをマークで表記しています。
カビ取り剤も塩素系漂白剤の部類なのですが、カビが生えやすい生地のほとんどに漂白が「×」と記載されてしまっています。
そのため製造メーカーに確認すると「改善方法がないため自己責任でカビ取り剤を使うか、買い替えてください」と言われます。
本当は製造メーカーも老舗ホテル等が採用しているしみ抜き技術で取れることを知っていますが、技術が必要なので一般ではその薬品を購入できません。
それほどカビは厄介で取り除く選択肢が少ないので、カビのために買い替えることができない場合はカビ取り侍を使うかご判断ください。
また買い替えたとしても、空気中に浮遊しているカビ胞子が原因で発生したということを忘れてはいけません。
部屋の換気状況が改善していないままだと、次のカビが再発してしまうので予防・対策として防カビ侍をお使いください。
■塩素臭を早く消すとき
ゴマ粒ほどのカビなら少しのスプレーで済みますが、10円玉サイズのカビだと追加スプレーが必要です。
カビ取り侍をかけ過ぎてしまうと、マットレスや敷布団の奥まで成分が浸透してしまうので塩素の臭さがなかなか消えません。
洗濯機に入らないものは使い方(使用方法)に記載されている通り「かけ過ぎないようにスプレー」してください。
塩素臭がする理由は「敷布団の内部にカビやダニが残っているとき」「皮脂や汗の汚れに反応しているとき」に発生します。
特に汚れが多いと塩素臭の原因成分である次亜塩素酸ナトリウムのpH値が下がるので、安定性が崩れて塩素臭が発生するのです。
よって早く消す方法は以下の5つです。
- 洗濯機に入るものは洗濯する
- 水拭きをして、成分の蒸発を促進する。
- 冷水ではなく温水(40℃以上)で拭いて蒸発を早める。
- 水拭きしたのち、直射日光に当てる。
- 扇風機などを当てて素早く乾かす。
- プロ向け:500~1000倍に薄めたクエン酸で中和する。
この中で塩素臭を素早く消臭できるものはクエン酸ですが、「まぜるな危険」に記載されている通り危険なのでプロ専用です。
カビ取り掃除のあとに水拭きをしないということは、食器洗いの泡を洗い流さずに乾燥していることと同じです。
その残ったカスは「カビの栄養」となるので、次のカビが生えやすくなりますから必ず水拭きをしてください。
■変色を避けたい場合
頑固カビのシミを取るには「塩素系カビ取り剤」が必要とお伝えしましたが、色柄物製品や天然繊維は変色や傷みが伴います。
しかしカビは生き物なので放置していると徐々に汚染が広がりますから、いずれは対処しないといけません。
このような場合はシミを取るよりも「これ以上カビを増やさない」という考え方が必要です。
カビは菌糸と胞子で増えていき、その過程で色素(シミ)を作るので、アレルギーの原因となる「菌糸」と「胞子」を退治する必要があります。
そのため当店がご提案できるカビを増やさない方法は、カビ取り侍非塩素タイプ+防カビ侍アルコールタイプを使うというやり方です。
両方とも非塩素タイプなのでカビの色素(シミ)は一切取れません。
しかしカビの危険な部分は菌糸と胞子なので、色素(シミ)が残っても特に害はありません。
以下の画像はシミを取らずにカビを除菌して、防カビ侍で繁殖を防止したのでカビ汚染を年単位でストップできました。
繰り返しますが、塩素系カビ取り剤が使えない素材で大切なことは「これ以上増やさないこと」です。
カビ取り侍非塩素タイプで「菌糸・胞子」を除菌して、防カビ侍で「カビの成長を防止」すれば、シミが取れなくてもカビの異常繁殖はストップできるというメリットがあります。
つまりシミを残して、カビの生きている部分だけを除菌・防止するという考え方です。
使い方は「粉カビのカビ取り方法→使い方(使用方法)↗」に掲載されている通りにお使いください。
塩素系カビ取り剤の使用を避けたいが、町のクリーニング店でも「カビのシミは取れない」と言われてしまった場合、この方法でカビの異常繁殖を阻止しましょう。
部屋のカビは増えるとカビ毒を作るので、大切なことは「これ以上増やさないこと」です。
カビがまだ小さくて目立たないときに役立つ方法なのでご検討ください。
■不安な場合は質問する
いかがでしたでしょうか。カビのとりせつはあなたのカビ問題解決のヒントになりましたでしょうか。
当店はこのカビに特化した知識と経験でエアコンクリーニング、浴室クリーニング、風呂釜洗浄のカビ取り・防カビハウスクリーニングを提供しています。
この「カビのとりせつ」は日々更新して新しい情報を発信していますので、カビにお困りとなった際はいつでもご覧ください。
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■before、afterを参考にする
マットレスに発生した黒カビ
マットレスの側面を壁紙にピッタリと付けていたことで換気状況が悪くなりカビが発生しました。除去に40分間ほどかかりましたが、カビ取り侍+防カビ侍のコンビで除去・防止しました。防カビ侍の作用により今ではカビが発生していません。
レースカーテンに発生した黒カビ
大きな家具の背面にあり気付きにくかった黒かびです。レースカーテンを外してカビ取り侍を使ったところ、10分も経たずに新品と見間違うほど綺麗になりました。部屋で使うと床材に付く恐れがあったので、浴室の床に広げてカビ取り侍を使いました。
敷布団に発生した黒カビと黄変
押入れに収納していた敷布団に黒カビが発生しました。クッション材とシーツが一体型だったので黄変しないか心配でしたが、弱いカビだったので10分程度で綺麗にカビ取りできました。塩素臭が心配だったので水拭きしたのち直射日光で乾かしました。