カビ取り侍とカビキラー・カビハイターの違いを比較 / 部屋にカビ取り剤を使ってもいいの?用途を正しく理解してカビを落とす洗剤を選ぼう♪

カビ取り侍とカビキラーの
違いを教えてください

カビ取り防カビ対策専門業者の純閃堂です。

今回は当店へ問い合わせがある有名なカビ取り剤とカビ取り侍の違いを比較していきます!

当店はカビ取り専門業者ですので、カビを落とす以外に「カビを生やさない」「再発させない」という考え方に基づいて掲載しています。

掲載内容


※カビ取り掃除は洗浄濃度よりも「用途」が重要なので次亜塩素酸ナトリウム保有率等の成分比較は掲載されていません。

結論

先に結論をお伝えすると「用途」が違います。有名メーカーも同様に洗剤はその用途に合わせて成分を調整して製造しているので、用途外の誤った使い方をすると思わぬ事故に繋がることがあるのです。よって洗剤成分を熟知しているプロ業者以外は下手に使用しない方がいいでしょう。

本編では洗剤選びで最も大切なこの「用途」からカビ取り剤の違いと比較をしています。

主に部屋のカビについて掲載しています

比較するには情報があり過ぎるので、本編では主に部屋の壁紙(ビニールクロス)白い布製品(敷布団やレースカーテン)など、十分な水洗いができず、水拭きになってしまう場所【浴室以外の部屋】を対象としていますのでご了承ください。

※フローリングなどの床材に対して当店商品はすべて対象外です。その理由はこちら↗をご覧ください。

市販のカビ取り剤で部屋のカビは取れますか?

「用途」が異なるのでおすすめできません。

YouTubeやブログなどでは裏ワザとして部屋の壁紙や天井に使う方法を掲載していますが、それを真に受けて掃除したお客様から当店に相談が来ています。

クッションフロアの裏側に発生したカビは取れない

上記画像のカビを落とそうとYouTubeやブログで紹介されている方法を使っても一切落ちません。それどころか変色して界面活性剤が下地に浸透し、数か月後にはカビか増殖します。悪化させないためにはまず「用途」を守ることが重要なのです。

洗剤類の用途を知る

まずカビキラーやカビハイター等の有名メーカーに記載されている「用途」を確認してください。

カビ取り剤の用途を確認して使う

大手のカビ取り用洗浄剤に掲載されている用途には「浴室用」「浴室のカビ汚れ」などの記載があり、さらに古民家の浴室壁に見られる砂壁、漆喰、布張りの壁などには使えないと書かれています。

大手の漂白剤に掲載されている用途には「黄ばみ」「黒ずみの漂白」などの記載があり、使えないものには衣類の素材が列挙されているのが分かります。

そしてこの両方に共通して「十分な水洗いをする」と記載されています。

この記載からYouTubeやブログに掲載されているカビ取り方法は、用法用量を無視した使用方法であって裏技ではないことを知りましょう。

(裏技や応用編はメーカーサイトに掲載されているのでそちらをご覧ください)

サンポールを販売しているKINCHOではこちらのページ↗にこのように注意発起されています。


近年、サンポールを用途外の目的で使用している動画や記事などがWEB上で見られます。これは、タイルや樹脂、金属・大理石等の素材をいためたり変質する可能性もある間違った使用法です。当社では推奨できないばかりか、安全性も保障できません。絶対に真似をされないようにお願いします。


カビ取り剤が使えないのにカビは増え続ける

大手のカビ取り剤が部屋の壁紙やレースカーテンなどの布製品に使えない理由は、変色(色落ち)や塩素臭のほか、十分な水洗いができないためであり、お掃除の難易度が高いからです。

色柄物製品は変色(色落ち)する
壁紙は黄緑色に変色する

しかし部屋のカビを放置していると呼吸器に有害で、家を腐らせるので人と建物が汚染されます。

家はカビの天敵が少ないので自然界よりも爆発的に繁殖するのです。

マットレスに発生した黒カビ
ゴシゴシ拭いても取れない壁紙の黒カビ

特に黒カビが発生するとアルコールで拭いても取れないので塩素系カビ取り剤を使うしかありませんが、市販のカビ取り剤には「使える」と書かれていません。

そこでカビ取り専門業者・クリーニング店や工務店に依頼をすると、修繕費で数十万円の費用が掛かってしまいます。

結果、業者の費用よりも安く済ませるには塩素系カビ取り剤以外にカビと戦える洗剤がないのです。

JUNSENDO

他にも過炭酸ナトリウムなどの酸化剤がありますが塩素系と比べると弱いので、真っ黒な黒カビが相手では太刀打ちできません。

使用者の「安全」とは?

上記のように安易にカビ取り剤を使うと変色や塩素臭の恐れがあるので、家や人体に悪影響があります。

塩素系カビ取り剤は塩素臭がする

逆にカビを放置していると胃液のようなもので素材を溶かし、胞子を飛ばして呼吸器、粘膜に有害なので、家や人体に悪影響があります。

カビは胞子を飛ばすのでアレルギーの原因になる

しかし黒カビは次亜塩素酸ナトリウムや過炭酸ナトリウムなどの酸化剤でなければ真っ黒なシミは取れません。それ以外は買い替え、修繕になります。

よって、大手メーカーはこの2つを天秤にかけて、「商品を使ったときに起こるデメリット」を避ける方向に進みました。

そのためお風呂やキッチンなど簡単に水で洗い流せる場所に合わせてカビ取り泡スプレーを販売しているのです。

部屋に使うとどうなるのか?

変色や塩素臭の他に、カビキラーやカビハイター(キッチンハイター)を部屋で使うと大量の泡でスプレーされます。

この泡は「カビへの浸透」「カビ以外の汚れの洗浄」「垂れにくくする」などの作用があります。

カビキラー・カビハイターを部屋に使うとどうなるのか?

しかし部屋にこのような泡が立つ洗剤を使うと、仕上げの水拭きをしても界面活性剤の泡が立ち続けます。

この界面活性剤は浸透剤(乳化剤)なので、皆さんが想像しているよりも多くの成分が素材に入り込み、人間の水拭き程度では完全に取り除けません。

泡だらけになり大変なことになる

このようなことから我々カビ取り専門業者は泡立ちやすいカビ取り剤(またはジェル状のものを溶かして使う行為)を、部屋など水洗いできない場所には使用しません。

JUNSENDO

また塩素臭を誤魔化すための香料(tert-ブタノールなど)が残ってしまうことも部屋で使えない理由になります。この香料は塩素よりも少し分解が遅いので塩素臭が消えても残ってしまうのが欠点です。

部屋ではなるべく香料を含まないものでカビ取りした方がいいでしょう。誤魔化しがないので使用中はツンとした臭いがしますが、水拭きをしたあとの仕上がりはスッキリとします。

カビ取り侍は泡立ちを少なくしています

カビ取り侍は泡が立ちにくく部屋で使いやすい

この画像はカビ取り侍と市販品をボトルに入れて振ったときの画像です。カビ取り侍は1分後に泡が少なくなっているのに対し、市販品は泡が残り続けています。

強力な浸透作用を維持しながら泡切れを良くするように作られているのです。

真っ黒カビが綺麗なホワイトになったら水拭きをする

よって部屋の壁面に使っても、水拭きで多くの成分が回収できるので仕上がりがスッキリします。

どうしても水拭きできない素材は塩素臭が続いてしまいますが、十分な乾燥で残留成分が気化するように作られています。

なぜ、このような作りになっているかというと以下のような理由があるからです。

残留成分は細菌が繁殖する原因になる

当店にはこのような相談があります。

エアコンにスプレー式の中性洗剤(またはカビ取り剤)を使ったあとに「酸っぱい臭い」や「汗臭」が発生したのでエアコンクリーニングをしてほしい。と相談があります。

お掃除をしてから一ヶ月も経っていません。

界面活性剤は細菌類の栄養になる

他にも以下の画像をご覧ください。スプレー式のカビ取り剤を使ったあとに水をスプレーして約6ヶ月後のエアコン内部です。赤枠の白く残っている固形物を採取して水でかき混ぜた結果、異常な泡立ちがあったので界面活性剤と判明しました。

お掃除のあとはエアコンを使っていなかったので、送風ファンに液剤が溜まったまま劣化したのでしょう。

ベタ付きのある界面活性剤がエアコンのファンに残った画像

ほとんどの界面活性剤は劣化するとベタ付きのある成分になります。ワセリンのようにベタベタしているものが壁面・木材に残っているとお考え下さい。

この状態になると水拭きした程度ではなかなか回収できません。界面活性剤はなかなか消えないのです。

べた付くのでホコリやチリが付きやすい

エアコン内部にこのべた付いた界面活性剤が残っているので、通常よりも早くエアコンが埃だらけになります。

つまり用途を無視した行為をしてしまったので、強烈な悪臭と黒カビが発生してしまったのです。

カビや細菌の悪臭で病気の原因になる

ただし初めに発生する悪臭はカビの臭いではなく細菌が出す悪臭です。

危険な食物連鎖が生じる

なぜ、細菌が発生したかというと、エアコンが部屋中のホコリを吸い取ってそのホコリの中に細菌が生息していたからです。

細菌・カビ・ダニ・昆虫の食物連鎖

細菌が劣化した界面活性剤や他の汚れを栄養にして繁殖すると食物連鎖が生じます。

細菌が栄養を代謝して糞(フン)を出し「酸っぱい悪臭」が発生、その代謝物やその他の栄養をカビがエサにします。次にカビを栄養にするダニが繁殖して、ダニを捕食する昆虫類が増殖するのです。

この動画はカビの中で生息しているダニや昆虫です。部屋やエアコンのアオカビ・黒カビの中はこのようになっている可能性があります。

そしてこれら微生物の死骸やフンがハウスダストアレルギーの原因になると言われています。

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今回はエアコンを例にしていますが、壁紙、布製品、木材、畳、漆喰、モルタル、コンクリートでも同じことが起こります。


我々カビ取り専門業者はこの危険な食物連鎖を発生させないためのカビ取り・防カビ施工の技術を持っていて、この経験から作られたものがカビ取り侍と防カビ侍です。法律の関係で成分が似ていても、浴室用のカビ取り剤とは全く別物になります。

他にもたくさんの比較できる違いがありますが、一番大切なことをお伝えしています。

界面活性剤などを含まない次亜塩素酸ナトリウム単体ではダメなのでしょうか。

天井裏に生えたカビは天井ボードと壁紙を通過して表側(部屋側)まで菌糸を伸ばして繁殖します。皆さんが想像しているよりも菌糸は長いので浸透剤である界面活性剤は必須です。次亜塩素酸ナトリウム単体は表面のカビに有効ですが浸透しないので、表面が綺麗になっただけで菌糸が残っている可能性があります。

つまり分厚い汚れがないプラスチック表面のカビは得意で、壁紙、ジプトーン、コンクリート、木材、畳などなどカビが菌糸を伸ばしやすい素材は苦手です。

カビ取り専門業者が次亜塩素酸ナトリウム単体を使わない理由の一つです。

結果、用途を守って使うこと

塩素系カビ取り剤はカビに浸透する成分と、目的場所のカビが落ちるように泡立ち剤やジェル化剤を混ぜています。

塩素系漂白剤は漂白を強化するため、他の汚れを取り除く界面活性剤を混ぜています。

カビキラー・カビハイターは用途通り浴室などの水で洗い流せる場所に使う
塩素系漂白剤は漂白のために使う

このようにメーカーが定めている様々な用途は雑に決めているのではなく、目的場所の問題が解決するように作られているのです。

今回の比較はほんの一部ではありますが、用途を守らずに使用してしまうと、当店でも予想できない思わぬ事態が発生してしまうので注意しましょう。

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ちなみに業者しか買えない医療薬品や洗浄薬剤は用途欄に希釈倍率が記載されていて、その用法用量に合わせて使います。一般の人でも買えるものは、メーカーが「用途」に合わせて販売しています。大きな事故を防ぐためです。

これが部屋のカビ取り掃除に大切なことです

冒頭でもお伝えしましたが、カビ取り専門業者は落とすだけではなく、生えないようにするまでが仕事です。

現在は建物の老朽化から日本中の家でカビ問題が起こっています。しかしカビ取り専門業は難しいので、人数が少なくとても日本中を対応できません。

日本中で起こっている部屋のカビ問題(病気やハウスダストアレルギーなど)

ただしその状態でもカビは待ってくれません。有害なカビを放置したことで家が菌糸で溶かされ腐朽し、胞子でアレルギーのお子様が増えているのです。

しかしこのような食物連鎖などの事情を知らない業者が、用途を守らずにカビ取りをするので、当店へ依頼が来るときはとてもひどい状態になっています。

壁の真っ黒カビで喉がやられ咳がでる

(この画像は吸水性のある壁紙/下地コンクリートに市販カビ取り剤を使って洗浄したあと、以前よりも強力な黒カビが発生した画像です。施工を担当した業者から相談を受けて判明しました。)

そのためカビ取り侍と防カビ侍はこのようなカビ汚染問題で悩む人のために部屋のカビ取り剤・防カビ剤として販売しています。

部屋のカビも落とせるように作ったカビ取り侍

使用方法は浴室よりも難しいですが使用方法と注意事項を守ってお使いいただければ、意外と簡単に部屋のカビを取り除けます。

結果、私たちが「安全」と考えていることは「カビを正しく除去して」「カビを生やさないこと」が家や人体の安全と考えています。

カビ取り侍の用途とは?

こちらではカビ取り侍の用途を簡単に掲載します。さらに詳しく知りたい人は「カビ取り侍の種類と違い↗」をご覧ください。

カビ取り侍とカビキラーの用途を簡単に知る

カビキラーとカビハイター

カビキラー・カビハイターは泡立ちを良くしているので浴室の壁面でも使いやすくできています。さらに浴室はカビ以外の皮脂・油・汗などの分厚い汚れがあり、カビは分厚い汚れの表面から内部まで菌糸を伸ばしています。よって、浴室やキッチンのカビを取るには次亜塩素酸塩の分解・除菌力。水酸化ナトリウムの洗浄力。界面活性剤の浸透と乳化力が必要です。

この3つの洗浄力があるので分厚い汚れに生えた黒カビも同時に取れます。泡立ちがいいので排水口・小物類・まな板も楽にお掃除できますが、部屋など十分な水洗いができない場所には本編の通り界面活性剤や香料が残ってしまうので使用できません。

カビ取り侍

逆に部屋の壁紙(ビニールクロス)、モルタルなどの塗り壁、コンクリート、漆喰・珪藻土・白い布製品、木材、畳に泡立ちは必要ありません。本編の通り水拭きが困難になるので成分が長期間残留したり、界面活性剤が劣化して細菌が繁殖する恐れがあります。部屋では水拭きをしてスッキリとした仕上がりが必要です。

よって、カビ取り侍は泡立ちを少なくして水拭きしやすいようにしたミストスプレータイプのカビ取り剤です。お風呂よりも広い面に発生する部屋のカビでもミスト状なので適量がかかります。

また浸透剤も、少量で大きな効果を出す高価なものを使用しているので、カビの菌糸まで強力に浸透して分解します。そして泡が少ないので水拭きをすれば成分の大部分が素早く乾燥します。結果、仕上げに使う防カビ侍の効果が出やすく仕上がりがスッキリするのです。

しかしデメリットとして部屋のカビに特化しているので、ゴムパッキンやタイル目地などの頑固なカビに使っても、すぐに乾いてしまうので使えません。ゴムパッキンのカビは乾燥せずに長い時間付着していることが条件なので、泡タイプのカビ取り剤か当店の場合はカビ取り侍ジェルタイプを使います。

またお伝えした通り、浴室のカビは湯あか(皮脂・ホコリや洗剤カスの汚れ)に繁殖しているので、泡が立ちにくいカビ取り侍ではスポンジなどの補助が必要です。そのため浴室などの水回りでは、泡とジェルを混ぜたカビ取り将軍をお勧めしています。湯あかとカビに絡みやすいのでよく取れます。


ただしカビ取り剤を何本も購入するのが嫌な場合は、目的が多い物にすると良いでしょう。お風呂のみでしたら安価で掃除できるカビキラー・カビハイターで、部屋の壁紙にも使いたい場合やミストタイプが欲しい場合はカビ取り侍を選ぶというのはどうでしょうか。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。


※カビ取り掃除は洗浄濃度よりも「用途」が重要なので次亜塩素酸ナトリウムの保有率は掲載されていません。

※分かりやすくカビキラー・カビハイターと記載していますがホームセンターに売られている有名メーカーのカビ取り剤と比較しています。