塗装された壁や天井の
黒カビを取る方法と注意点
お風呂、部屋の壁面に使われている塗料はペンキなど色々なものがありますが、このカビは擦っても取れないので非常に厄介です。アルコール除菌剤でも取れません。
塗装壁(リシン・スタッコ・ペンキ・タイル)に生える黒カビは多少乾燥に強く、浴室に生えるカビは湿気が大好きなカビで両方とも斑点状に繁殖します。
こちらのページでは、そのモルタル等の仕上げに使う塗料に発生した黒カビの取り方と注意点を掲載しています。
目次
「モルタルやコンクリートのカビ取り方法↗」と重複する部分がありますのでご了承ください。
塗料なのになぜカビが生えてしまうのか
空気中には数多くの物が浮遊していますが「カビの胞子」も含まれています。
その胞子が栄養部分に付着してタンポポのようにホコリ状の粉カビ↗(アオカビや白カビなど)に成長します。
初めは見えませんが菌糸と胞子が異常繁殖すると目視できるサイズまで成長します。このカビは非常に臭いので、カビ臭いと感じたらどこかに隠れて異常繁殖している証拠です。
そしてホコリ状の粉カビを放置しているとカビ毒を出しながら「菌糸」で根をはり、黒や青緑などの「色素」を作りながら素材を染めるので擦っても取れない頑固カビになります。
これがカビが成長してく順番です。頑固カビはこの菌糸・胞子・色素の3つを除去する必要があるので覚えておきましょう。
次に塗料には栄養がなさそうに思われますがすべての物は劣化していきます。塗料も例外ではありません。
皆さんはこのような体験をしたことはないでしょうか。
ここ最近、壁がベタベタする…
塗装面の場合は主に湿気が影響して劣化します。その過程でカビの好物である可塑剤や粘着成分が染み出てきます。
この劣化した塗料と可塑剤・粘着成分がベタベタする原因の1つです。他にもテープを貼っていた場所が、時間が経つにつれてべた付きを発生させるのと同じです。
この「カビが成長する順番」と「塗装面の劣化」のタイミングが合うと、以下の理由によってカビが発生します。
塗料の場合、染み出てくる化学成分には様々なものがありますがここでは2つに絞っています。
塗料はカビの栄養になる
初めは塗料自体に防カビ剤が含まれているのでカビませんが、時間が経って劣化した塗料の防カビ効果は下がっています。
さらにべた付いているのでホコリに混じったカビ胞子が簡単に付着できます。
カビにとっては居心地の良い場所なので、水分・栄養・温度の条件が揃うと菌糸・胞子を異常繁殖させて、あっという間にホコリ状の粉カビになります。
そしてその粉カビに気付かず放置してしまうと、色素を出して擦っても取れない頑固カビになります。
するとカビの数が多すぎるので塗料の防カビ剤ではカバーできず、塗料自体もカビてしまうという結果になるのです。
さらにカビは胃液のようなものを出して素材を「虫食いのように」溶かすので、以下画像のようにボロボロになってしまうこともあります。
よって、この擦っても取れない頑固カビを取るには、繰り返し記載している菌糸・胞子・色素の3つを同時に除去する必要があります。
その「カビの菌糸・胞子を溶かして(除菌)」「色素を抜く(分解・漂白)」作用を1本で済ませることができる洗剤が塩素系カビ取り剤です。
注意しなければいけない点は、劣化した成分のほとんどがカビと細菌のエサになるということです!例として保護クリームや化粧品などの化学成分も劣化すれば雑菌だらけになるのと同じで、永久に劣化しないものはありません。
おすすめ商品
塗装面がカビてしまう原因と、カビの性質が分かったので次はカビ取り剤を探します。
アルコール除菌剤では色素(シミ)が取れないので漂白作用のある洗剤がベストです。まだ弱いカビの場合は、過炭酸ナトリウムやオキシドールでも取れることがあるのでお試しください。
しかしそれでもカビのシミが取れない場合は、分解と漂白作用が強い塩素系カビ取り剤を使いください!
カビ取り侍液スプレーシリーズ
まずカビを除去する製品はこちらです。
基本的には「標準タイプ」で素材へのダメージを考慮しながらカビ取りしましょう。「強力タイプ」は標準タイプの2倍強力なので2倍速いスピードでカビ取りできます。
ただしカビの強さによって除去できる時間が異なるので、すべてのカビが素早く取れるわけではありません。
両方とも成分が自然分解しやすいように泡立ちを少なくしたミストスプレーのカビ取り剤です。強力ですが危険度は市販のカビ取り剤と同程度なのでご安心ください。
仕上げに使う防カビ侍シリーズ
カビ取り侍で対象面のカビを除去しても、換気されない状況が続くとカビてしまいます。
換気状況が改善できない場合はカビの再発を防ぐ防カビ侍を同時にお使いください。
3種類ありますがアルコールタイプだと塗料が溶ける恐れがあるので「水性タイプ」がお勧めです。「業者のように本格的な防カビ剤が欲しい場合は被膜コートタイプ」がお勧めです。
広範囲の場合は被膜コートタイプを3~5倍に薄めて使用すると費用を抑えられます。
カビ取りにはお掃除で使う「カビ取り剤」と仕上げに使う「防カビ剤」があることを覚えておきましょう!
使い方(使用方法)
使用するカビ取り剤が分かったので次は使い方です。
多くの塗装面は変色に強くできていますが、念のため目立たない場所に生えたカビへ液剤を付けて30分ほどパッチテストをすると、素材の変色や傷み、カビへの効果を確認できます。
液剤が垂れてもいいようにビニールラップや雑巾を床面に敷いておきましょう。使用箇所以外に液剤が付着したら拭き取ってください。
カビ取り掃除の準備
- カビ取り侍
- 防カビ侍(カビ対策したいとき)
- 絞った雑巾を2枚ほど
- ビニールラップなど(任意)
- 歯ブラシなどのナイロンブラシ(任意)
- 範囲が広い場合は加圧式噴霧器
- 使用箇所周辺の物を移動する
- カビを吸い込まないように換気する
カビ取り侍液スプレーの使い方
標準タイプ、強力タイプ共に使用方法は同じです。
画像の塗装面はパッチテストをして変色が無かったので「強力タイプ」を使っています。
- 塗装面にカビ取り侍をかけ過ぎない程度にスプレーします。
- そのまま10~30分間ほど放置します。すると黒いカビがグレー→黄色に変化します。
- この時点で塩素臭がするので換気しましょう。
- まだ残っている部分があれば追加でスプレーします。
- 頑固な場合は歯ブラシなどで優しく擦ってみましょう。
- 1~3を根気強く繰り返すとカビが溶けてシミが抜けます。
- カビが綺麗に取れたら軽く絞った雑巾で水拭きします。
- 水拭きすると変色や傷みをストップできます。
- 乾燥すれば自然分解します。
変色が心配な場合は「標準タイプを2~3倍」「強力タイプを3~5倍」に薄めて使いましょう。ただし薄めても極度な変色を起こさないだけで変色しないわけではありません。
▲カビ取り侍液スプレー標準タイプを使った動画です。▼カビ取り侍液スプレー強力タイプを使った動画です。今回は弱いカビだったので両方とも綺麗に取れました。
当店ではカビ取り剤を使ったあとに「水拭き」を推奨しています!水拭きをすると分解されたカビやホコリのカスを回収できるので防カビ対策になるのです。詳しい理由は「水拭きの必要性↗」をご覧ください。
水拭きできない場合の対処方法も掲載しています。
仕上げの防カビ侍シリーズの使い方
次の防カビ侍は非塩素系なので塩素臭はしませんが、塗装面はアルコールに弱いものがあるので「水性タイプ」か「被膜コートタイプ」を使います。
一度でもカビが生えた場所は次もカビやすい場所です。浮遊しているカビ胞子が付着して再発しないように防カビ侍で塗装壁を守りましょう。
- カビ取り侍を使用した部分を水拭きして完全に乾かします。
- 水拭きできない場合は乾燥させます。
- カビ取り侍を使ってから7日間以内に防カビ侍を使いましょう。
- 防カビ侍をムラなくたっぷりとスプレーします。
- 液剤を均等に吹きかけましょう。
- 拭き取らず乾燥すれば安全です。
これで仕上げの防カビコートは終了です。
防カビ侍強力被膜コートを使う際はバケツ、刷毛(または加圧式噴霧器)が必要ですが、他の2品と比べると圧倒的にカビの発生率が減ります。
詳しくは「被膜コートタイプの使い方↗」をご覧ください。
防カビ侍は、カビ取り侍が自然分解しやすい作りなので効果を発揮できます。他のカビ取り剤では残留量が不明なので、防カビ成分が消耗してしまう場合がありますからご注意ください。
カビ取りの目安&シミが残ったとき
実際、上記画像のカビを除去するのにかかった時間は20分ほどでした。運よく塗装面の傷みが酷くなかったので綺麗になりました。
カビは胃液のようなものを出して菌糸を伸ばしながら「虫食い」のように素材を汚染するので、酷くカビているとシミが残ります。
傷んでしまったものは、いくらカビ取り剤でも戻せません。
また濃度を上げれば素早く除去できることもありますが、風呂場のゴム部と比べると塩素系洗剤に弱いので代償として素材が傷みます。
上記の理由からカビ取り掃除は適切な濃度でゆっくり根気強く除去するのが基本なので、目安としてカビが以下「3」の薄い灰色になればカビは除菌されています。
カビの危険な部分は菌糸と胞子なので、残っているシミはカビの色素ですから特に害はありません。
「4」まで綺麗になる条件は素材自体が傷んでいなかったときです。新品と見分けがつかないほど綺麗になるでしょう。
繰り返しますが塗装面はお風呂場の素材と違うため、シミを取るために無理をすると素材を傷めてしまいます。
黒いシミが残ると見た目が悪いかもしれませんが、カビ取り剤と素材にも限界があるので無理せずお掃除を終わらせることも重要です。
これで塗装された壁面・天井のカビ取りとカビ防止のお掃除は終了です。数万円の修繕費用を数千円で抑えられました。
頑固なカビでも「カビ取り侍+防カビ侍+換気状況改善」で徹底的にカビ対策・カビ予防をすればカビが生えてこなくなることもあります。
モルタル等の仕上げ塗装(ペンキ・リシン・スタッコ・タイル)のカビでご不明な点がありましたらお気軽にお問い合わせください。
注意点を確認する
色柄物には使えません
稀に青、緑、ベージュなど「色」が混ざっている塗装面がありますが、カビ取り侍は色柄物製品には使用できません。
当店のカビ取り・防カビハウスクリーニングでは変色したこと経験がありませんが、「塗装面の表面に塗料を上塗りしている」「劣化している」などの様々な事情を加味しているので不可にしています。
しかし塗装面の場合、カビ取り剤以外の方法は「塗り直し」しかありません。
放置していると悪臭(カビ臭)を出してダニを呼びアレルギーの原因になるので、家族や家の健康面を考えてカビ取りを優先する場合はお使いください。
カビのシミが全く取れない
ほとんどのご家庭では劣化した塗装面の表面にカビ胞子が付着するので「塗装面の表面にカビが発生」しています。
この場合は、カビ取り侍が直接カビにかかるので除カビ可能です。
ただし
- エアコンの冷風があたる場所
- 日光があたらない部屋の隅
- 塗料を塗り直したとき
- 壁紙の表面に塗料を塗ったとき
- 建物の老朽化で塗料が劣化したとき
- 老朽化に伴いリフォームしたとき
など裏側(内側)の換気・乾燥に影響するような変化があると、裏側に潜んでいたカビが成長を開始します。そのカビが胃液のようなもので塗装面を溶かしながら、表側まで浸食して初めてカビを発見します。
このような場合、塗装面がカビ取り剤の浸透を遮っているので、裏のカビが除去できずシミが全く取れません。
除去できたカビは塗装面の表面にいる「子カビ」で、原因の「親カビ」は裏側に潜んでいるので以下をご覧ください。
カビ取り剤をかけても薄い灰色のシミ(または薄い茶色)のシミが取れないので、ひび割れ部分を剥がすと下地モルタル(またはコンクリート)に大量の黒カビが発生していました。
このように裏側に大量の黒カビが発生しているので、表側からカビ取り侍をスプレーしても取れないのです。この状態になったときは、すべての塗料を剥がすことが困難なので無理せず作業を中断してください。
ただし塗料を剥がした部分はカビ取り侍が直接カビにかかるので除去可能です。
しかし綺麗には仕上がらないので専門業者に塗り直しを依頼した方がいいでしょう。
この状態はカビ取り剤を使って初めて判明することなので、使う前は真っ黒で判断できません。
本当の原因は建物の換気不足または施工ミスですから、この状態でも取れるカビ取り剤を探すか専門業者に依頼してください。
繰り返しますがこの状態は裏側に「親カビ」が存在していて、表側に「子カビ」が胞子を作っています!
カビ取り侍を使えば「子カビの胞子まで」は除去できますので、部屋への拡散を防止する目的でしたらご使用ください。
塗装が剥がれる
以下の画像をご覧ください。
こちらは過去に大量発生したカビを落とさず、防カビ剤入り塗料を上塗りしてしまったときの写真です。
1年~2年ほどの時期を経て、内側のカビがゆっくりと塗料を分解するので塗装面がボコボコしたような状態になり剥がれていきます。
カビを落とさずに上塗りした場合、カビ自体も抵抗してより強力に育つので塗料の抗菌剤程度では真っ黒なカビを撃退できません。
このボロボロになった面にカビ取り侍を使うと以下画像のようにカビだけが取れます。
「カビ取り剤を使っても剥がれた面が治らない」と問い合わせがありますが、カビは取れても塗装面は回復できません。
ここまで傷んだ場合はカビ取りしたのち、塗料を剥離してから塗り直しが必要なので専門業者に依頼した方がいいでしょう。
当店は防カビ施工で何度もこのような現場に遭遇していますが、カビ・細菌を知らない業者に依頼すると上記のように除カビをしないでペンキを塗ることがありますので注意しましょう。
家の天敵は水分と栄養によって成長した微生物なので、正しくカビを除去してから塗装してくれる業者を探しましょう。
カビではないシミに注意する
「床材のカビ↗」でも紹介していますがビニールクロスやペンキなどの塗装面にはカビではない黒シミが数多くあります。
こちらの画像は外の空気に含まれる排気ガスが隙間から入り込み、時間をかけて蓄積した黒い汚れです。カビではありません。
また家電製品(冷蔵庫や洗濯機)の背面も「電気焼け」という現象で同じように黒くなります。
カビ取り侍を使ってもカビではないので効果は期待できませんから、もう一度汚れを確認してください。
不安な場合は質問する
いかがでしたでしょうか。当店の選び方と違いはあなたのカビ問題解決のヒントになりましたでしょうか。
当店はこのカビに特化した知識と経験でエアコンクリーニング、浴室クリーニング、風呂釜洗浄のカビ取り・防カビハウスクリーニングを提供しています。
この「カビ取り侍の選び方と違い」は日々更新して新しい情報を発信していますので、カビにお困りとなった際はいつでもご覧ください。
カビの問題は十人十色
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浴室の塗装面に発生した黒カビ
空き家だったアパートの浴室全体に異常発生した黒カビ。この場合、スプレーボトルでは時間がかかるので加圧式噴霧器に3倍希釈したカビ取り侍強力タイプを入れて全体に噴霧。そして全体を水で洗い流したのち、乾燥させて防カビ侍強力被膜コートを全面に噴霧しました。
安全のためゴーグルと塩素用マスクを着用して換気をしながら作業しました。
部屋の塗装面に発生した黒カビ
木製家具が設置されていた裏面にカビが発生。こちらのカビはカビ取り侍標準タイプで大部分のカビを除去できましたが、塗装面の内部までカビが浸食していたため多少シミが残ってしまいました。このカビが表面まで成長しないように防カビ侍強力被膜コートで防カビコートしました。
ここまで成長した理由はエアコンの冷風が壁面にあたりやすく寒暖差が発生したためでした。
天井の塗装面に発生した黒カビ
換気状況が悪く天井の塗装面が劣化して黒かびが発生。スプレー→放置を3回ほど繰り返して除去しました。しかしカビが胃液のようなものをだして塗装面を溶かしたので、大部分のカビは取れましたが塗装面は傷んでいたので結果的に塗り直しをしました。
カビ取りをしないで塗り直しをすると、2年ほどで同じ状況に戻るので注意が必要です。
プロのカビ取り業者に依頼する場合は?
カビ取り防カビ対策専門業者に依頼するタイミングは「自分で作業するには危険」や「本格的な防カビ対策をしたい場合」に限ります!
- カビが広範囲に生えていて自分では対処不可能
- 塩素系カビ取り剤を使いたくないとき
- 天井が高すぎて自分で作業するには危険
- 密閉空間なので自分で作業するには危険
- アレルギーがありカビ取りできない
- 有害で危険なカビが何度も再発するとき
上記のような条件の場合は無理をせずにプロに依頼した方がいいでしょう。またプロは市販されていない最強クラスの防カビ剤を扱える資格を持っているので半年や1年ほどで再発していたカビを5年間以上生やさないようにできます!プラス換気状況を改善する提案もできます。
もし自分で作業するには危険と判断した場合は無理をせずお気軽に純閃堂クリーンサービス↗にご相談ください!あなたの家のカビ問題を解決します!