カビの危険性は?建物と人に害のある細菌やカビの毒とMVOC(微生物由来揮発性有機化合物)!そしてカビ取り剤と防カビ剤の安全性

カビ取り防カビ対策専門業者の純閃堂です!

結論を先にお伝えするとカビは有害で危険です。こちらでは食品に生えるカビではなく建物に生えるカビの危険性やカビ毒について解説しています。赤ちゃんやペットを守るための参考にしてください。

日本の建物はカビやすい

日本は湿気の多い国なので建物のあらゆる場所に抗菌剤や防カビ剤が使われていましたが、現在は自然派志向から天然物の壁紙・塗り壁(珪藻土など)・塗料・布製品に置き換えられて化学物質の脅威は減りました。私たちにとってはとても住みやすい空間です。

しかし人間が住みやすい空間は微生物(細菌・カビ・ダニ)にとっても同じです。自然派志向が広まった裏側ではMVOC(微生物由来揮発性有機化合物)の問題が各地で発生しています。この記事を読んでいる人も「かびの臭い」「酸っぱい臭い」「生乾きの臭い」を感じたことはないでしょうか。

建物の設計ミスや長期的な換気不足が影響すると、カビが大量に繁殖して喘息やアレルギーの原因となる物質(マイコトキシンなど)を放出します。これがかび臭さの原因で吸い続けると危険です。※カビ臭さはジェオスミンといわれることが多いです。

対策するためには定期的な掃除と換気が必要ですが、カビが生えてしまった場合はアルコール濃度70%以上のもの、またはカビ取り剤を使ってください。

参考文献:愛知県衛生研究所「シックハウスの新たな問題」

稀麗/KIREI

日本住宅の寿命が短いと言われている理由の1つが「水による微生物汚染の影響」と言われています!微生物が木材などを溶かすので耐久性がなくなって崩れてしまうのです。※他に地震や津波などの自然災害があります。

アレルギーの品目に名前がある

上記のMVOC問題はアレルギー検査をしたときに発覚することがあります。代表的なアレルギーを引き起こすカビを抜粋しました。

  • クラドスポリウム(別名:黒カビ)
    • お風呂など極端に湿った空間に多く外見が黒いが本来はオリーブ色
  • アルテルナリア(別名:ススカビ)
    • 木材にも生えるがエアコンの吹き出し口にも生えて外見がふわふわして黒い
  • アスペルギルス(別名:コウジカビ)
    • お風呂以外の場所でも容易に生える。アスペルギルス症が有名で外見はふわふわして埃っぽい
  • ペニシリウム(別名:青カビ)
    • お風呂以外の場所でも容易に生える。ペニシリンが有名で外見はホコリっぽい粉状

※上記はあくまでも「属」に位置するのでアルペルギルスにも「A・オリゼー」「A・フラバス」など色々な種類がいます。

鼻水・鼻づまり・くしゃみ・咳・かゆみなど色々なカビ感作があるといわれています。白澤卓二博士によるとカビ毒などの化学物質を慢性的に吸い続ける(または接種する)とアルツハイマー病の原因になると書籍に書かれています。

よってカビは危険ですか?の回答は「カビは危険で有害です」となるのです。

参考文献:脳の毒を出す食事(著者:白澤卓二/発行:ダイヤモンド社)←とても面白い本です!

稀麗/KIREI

メディアでは細菌による食中毒の報道を目にすると思いますが、細菌の毒は急性で死亡リスクが高いので報道されます!大量に繁殖していても目視できないまま食べてしまうので危険なのでしょう。カビは増殖すると目視できるサイズになるので食中毒の報道はあまり聞きませんが、見た目が黒いのでお風呂やエアコンに生えていると精神的に気分が悪くなりますね…

でも加工食品に混ざっている目に見えないカビ毒は人体に有害なものが多いので、日本でもいずれ大きな事件が起きるかもしれませんね!

アルコールやカビ取り剤は危険?

カビを除菌するにはエタノールで濃度70%以上、カビ取り剤では「次亜塩素酸ナトリウム」が一般的です。両方とも使いすぎると吸い込む危険性があります。

逆にこれほど強い洗剤でないと死滅できないと認識してください。

よってアルコール除菌剤・カビ取り剤、共に使用中は危険なので安全対策として眼鏡・マスク・ゴム手袋の着用と換気をお願いします。しかし洗剤ばかりに気を取られてはいけません。掃除をするとカビの胞子が大量に浮遊するので、吸い過ぎると体調が悪化します。

事例では工場内の栽培培地に大量のカビが発生したため、粉砕して肥料として提供する予定だったが、誤操作により大量の粉塵と胞子を吸い過ぎて10名が過敏性肺炎になったと「厚生労働省(職場のあんぜんサイト↗)に記載されています。

そのためカビ取り掃除で体調が悪くなる人は洗剤とカビ胞子(ホコリやチリを含む)の両方を吸っている可能性があるのです。

防カビ剤は安全?

皆さんが住んでいる家の壁紙・床ワックス・ペンキ・家具の接着剤、木材の腐食を防止する腐食防止剤、外壁の塗料、バッグ等の糊、ゴムパッキンなどはほとんどの確率で抗菌剤や防カビ剤が含まれています。

逆に壁紙や家具類にカビが生えた場合は、経年劣化で抗菌剤が切れたか、防カビ剤が使われていない素材(天然素材を含む)です。

そのため現時点で体調に異変が無ければ防カビ剤を使用しても問題ありませんが、稀に柔軟剤や消臭剤でアレルギー症状が出る人がいるように、すべての人に安全とは言い切れません。

よって冒頭の通りカビが家に生えると家の寿命を短くして、人に対してアレルギーや喘息の恐れがあるので危険です。防カビ剤は建物の寿命を延ばすのに役立ちますが化学物質なので相性が悪い人がいるのも事実です。このようなことからカビ対策する際はどの安全対策を取るか十分に検討してください。