カビが生えた理由とは?黒カビ/白カビ/青カビ/赤カビなど真菌は様々な条件で発生します。完全に侵入を防ぐことはできません。

カビ取り防カビ対策専門業者の純閃堂です!

今回はお客様から質問があるカビが生える原因を解説していきます。原因が判明すれば対策できる可能性が高まりますのでご参考ください。

3つの条件が必要

真菌(カビやキノコ)が成長するには「水分」「栄養」「温度」の条件が必要です。水分と言っても常に水が流れている部分では成長できないので、湿度の高い湿った部屋や風呂になります。カビにとって快適な湿度は60%以上といわれていますが、60%以下でも育つ乾燥に強いカビもいます。

温度は20℃~26℃付近が最も成長しますが35℃を超える暑い空間では育ちません。空気のない密閉空間も苦手です。

そして最後に栄養とは、ガラスやプラスチックでさえ栄養にするカビがいるので地球上にあるほぼすべての物と考えてください。ただしこの記事をご覧になっている皆様が注意するポイントはチリ・ホコリです。人間の目には小さな汚れでもカビからすれば巨大な栄養でそこに水分が加わればすぐに吸収を開始します。

逆に、風の流れが良く水分の吸収ができない場所で、掃除が行き届いていて栄養がない場所では成長できません。または壁紙やペンキなどに防カビ剤が入っていると成長できません。(日本の住宅には防カビ加工された数多くの建材があるおかげでカビ汚染の数を減らしています)

胞子と侵入経路

カビは自然界に多く存在しています。しかし他の微生物(細菌・粘菌・ダニなど)と競争しているので、カビだけが異常に生えている自然空間はなかなかありません。よってカビは生存競争を生き抜くために胞子を空気中に飛ばします。

私達が呼吸している空気には1立方メートルあたり100個~1000個の目に見えない小さなカビ胞子が浮遊しているといわれています。※1

そして建物はシックハウス症候群を防止するためそこら中に換気口があります。お風呂場などの24時間換気扇が外気を取り込むのでその空気の中にカビ胞子が含まれているのです。または帰宅した際の衣類やバッグに付着しています。多くカビが付着しているものは靴の裏や野菜などに付着している「土」です。

強風で土埃が家に入り込むと梅雨の時期にタンス・押し入れ・木材ベッドフレームから青カビや白カビが発生します。

長寿命と増殖のタイミング

カビの寿命をご存知ですか?ウイルスや細菌は数時間~数週間で死滅しますがカビは1年以上生きています。その生きている間に「水分」「栄養」「温度」の条件が揃うタイミングを伺っているのです。そのため去年は生えていなかったのに今年は生えた。という事態になります。

土埃が原因で大切なものがカビだらけに

3月から4月の強風で土埃が付着し(または家に侵入し)衣類・バッグやキャンプ用品を防カビ対策せずに収納すると、6月の梅雨にフワフワしたホコリっぽい粉カビが発生します。とても強い繁殖力なのでアッという間に収納庫全体が汚染されます。とてもかび臭くなります。

劣化した壁紙の表面に大量の黒カビ

壁紙は劣化すると糊や可塑剤が染み出てベタベタします。そのベタベタにカビが付着して待機します。湿度が60%を超える時期になったら家具の後ろ側など空気が滞留するビニールクロスに大量の黒カビが発生します。これは壁紙の防カビ性能がなくなり糊と水分を栄養にできたためです。

間違ったリフォームで下地がカビだらけに

木造住宅、PC住宅は換気構造が整っています。カビ胞子は容易に侵入できますが水分や栄養が足らないので育ちません。しかし築30年以上の建物に最新の二重サッシやビニールクロスを設置した途端、施工ミスで換気が不十分になり待機していたカビが爆発的に成長します。壁の裏側からカビが成長するのでカビ取り剤では取れません。

天然系の素材を選んでカビだらけに

天然素材(植物繊維や珪藻土など)の住宅は調湿性があるのでとても快適な空間です。しかし人間が過ごしやすい空間はカビも成長します。何かのきっかけで換気不足になり一度でもクローゼット内部の物や畳にカビが発生すると、胞子を飛ばして家中の天然素材がカビだらけになります。

イスや家具に使われている塗料が劣化してカビが発生

塗料にはカビの栄養になる糊や接着剤が使われていますが防カビ成分も含有しているのでカビは生えません。しかし湿気が滞留している場所に放置していると、水分が家具に付着するので塗料が劣化し「水分」「栄養」の条件が整って成長を開始します。とてもかび臭くなったときに気付くのです。

イ草畳を新品に交換した途端に青カビが大量発生

畳は古いものよりも新品にカビが生えます。新品の畳は栄養が豊富なのであとは水分があれば増殖できるのです。長期間窓を閉め切りにしたり、カーペットを敷いたり、家具を置いたりすると換気されない部分から青カビが発生して、人間の目につく場所まで繁殖します。とても危険な状態です。

エアコンから胞子が移動してジプトーン全面がカビだらけに

カビが生えたエアコンのスイッチを入れると大量の胞子が部屋中に充満します。夏場は部屋の温度が低く、外が暑いので天井ボードの表面がうっすらと結露します。その結露水を吸収して黒カビが成長すると胞子が落下するので、次は家具や衣類に転移するのです。

この事例からカビの発生を防ぐには十分な換気と適度な掃除が必要です。しかしどうしても風通しが悪く掃除ができない場所、または定期的なお掃除をしない部分(例えば押し入れの壁など)は防カビ剤を使って防カビ対策をしましょう。


参考文献※1:NPO法人カビ相談センター