塩素系カビ取り剤と変色/なぜ、カビにはアルコールやエタノールではなく塩素系カビ取り剤なのか?/よくある質問

カーテン(または布団など)にカビが生えてしまったのですが、塩素系カビ取り剤を使わないといけませんか?

ゴシゴシ擦っても取れない黒カビの場合には塩素系カビ取り剤が必要です。

カビは成長する過程で「菌糸」「胞子」「色素」を作ります。胞子から発芽して、菌糸から胃液のようなもの(酵素)をだして素材を溶かし、自身に色を付けます。この色を付けた時点で目視できるようになるので「あっ!カビが生えている!」となります。

ゴシゴシ擦っても取れないカビは菌糸が素材に入り込み、色素によって黒色、赤色、白色などの沈着が生じるので、色素を取り除く作用がないアルコールでは「カビが取れない!」となるのです。

よってこの「菌糸」「胞子」「色素」の3つを効率よく除去できる洗剤が塩素系カビ取り剤になります。

カビ専用の界面活性剤が菌糸に浸透し、除去成分が菌糸と胞子を溶かし、色素を分解するので綺麗になります。しかし同時に色柄物製品の着色まで分解してしまうので変色という事態が発生するのです。

このようなことから、当店のカビ取り侍を含め、色柄物製品へ使用できる塩素系カビ取り剤はありません。ただしカビを放置していると汚染が拡大するので変色をしてもカビ取りを優先する場合はお使いください。

さらに詳しく

カビのとりせつでは、カビが色素を生成して沈着が生じるとお伝えしていますが、さらに詳しくお伝えすると、カビには胞子だけに有色が生じる種類と、胞子・菌糸の両方に有色が生じる種類がいます。ゴシゴシ擦っても取れない黒カビは後者です。

素材に菌糸が入り込み、そのすべてが黒く有色するため、ゴシゴシ擦っても素材に守られているので取れないです。この現象はカビを顕微鏡で観察することで発見できます。