『塩素系で大丈夫』は危険|カビ取り洗剤の選び方をプロが解説

プロが現場で見極める

「塩素系をかけておけば大丈夫」は危険。
菌と汚れを見極めて洗剤を選ぶ理由

カビ取り・防カビの現場では、市販の常識が通用しない場面があります。なぜプロは洗剤を使い分けるのか——その理由を、実際の検証画像とあわせて解説します。

▼ この記事のプロ結論
  • 洗剤には「アルカリ性・酸性・中性・漂白・除菌」など用途があり、汚れと菌に合わせて選ぶ必要がある
  • 塩素系・エタノールでも倒せない菌や、洗剤を弾く菌が実在する
  • 室内で使うなら、再発を招く界面活性剤の少ない洗剤を選ぶのが安全
塩素系で倒せない菌 エタノールで倒せないウイルス 洗剤を弾く菌 薬剤から逃げる菌
本記事の監修者・抗菌防カビ施工士/株式会社純閃堂 代表
【本記事の監修者】一般社団法人 抗菌防カビ清掃技術研究所 代表理事
「かびのとりせつ」を運営する株式会社純閃堂の代表取締役。防カビ剤の特許技術(特許第1451611号)を家庭用に応用し、除カビ製品「カビ取り侍」シリーズとして商品化。大手ECでランキング1位を連続獲得。現在は防カビ技研の代表理事として現場に根差した技術講習を行い、抗菌防カビ施工士の育成と衛生対策の普及に取り組んでいる。
抗菌防カビ施工士 育成 応用特許 4件 JIS拡張試験 1008日 再発ゼロ 公的試験機関で実証
カビ菌・細菌・ウイルス・ダニ・汚れに合わせて洗剤を選ぶ
このページに載っていること
  1. 洗剤の用途ってなに?
  2. 汚れとは?
  3. 洗剤の種類
  4. プロが現場で見た「5つの事実」
  5. 洗剤を弾く菌とは?
  6. 室内で使うなら界面活性剤の少ない洗剤を
  7. 洗剤を選ぶ
  8. その現場で見極めて洗剤を選ぶ
  9. よくある質問(Q&A)

洗剤の用途ってなに?

皆さんはご自宅でどのような洗剤を使っているでしょうか。何種類かの洗剤を使い分けていると思いますが、その理由は汚れに「アルカリ性の汚れ」「酸性の汚れ」「シミ汚れ」などがあるからです。

酸性の汚れに酸性の洗剤を使っても落ちにくいので、真逆のアルカリ性洗剤で落とすというように、使い分けることで比較的かんたんに汚れを落とせます。

汚れの性質に合わせて、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)、過炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩酸、クエン酸などの洗浄成分を使います。とはいえ成分名をパッケージに書かれても分かりにくいので、メーカーはその成分に合わせて「用途」を設定しています。用途を無視して使うと大きな損失になる恐れがあるので、必ず守って使いましょう。

汚れとは?

汚れとは「あるべき場所ではない部分に付いているもの」と言われています。たとえばカレーを食べているとき服にカレーが付けば、それは「汚れ」です。

チーズの青カビは食品ですが、青カビがバッグ・壁紙・木材・布団に発生した場合は「カビ汚れ」になります。よって、その汚れを化学の力でかんたんに落とすために生まれたものが洗剤です。

バッグに発生した青カビと白カビ
バッグに発生した青カビと白カビ
マットレスに発生した黒カビ
マットレスに発生した黒カビ

洗剤の種類

洗剤には数多くの種類があります。下記は代表的な一部で、アルカリ性洗剤だけでも紐解いていくと膨大な種類があります。

アルカリ性洗剤酸性洗剤中性洗剤 漂白剤研磨剤除菌剤コーティング剤

プロが現場で見た「5つの事実」

カビ取り・防カビ業者として、カビや細菌を除去・抗菌していると、市販の常識では説明できない事実に出会います。

現場でわかった「市販の常識が通用しない」こと
  • 塩素系漂白剤では倒せない菌がいる
  • エタノールでは倒せないウイルスがいる
  • ある種の洗剤がかかると黄色や赤色になる菌がいる
  • 洗剤を弾く菌がいる
  • 薬剤から逃げる菌がいる

このように「塩素系洗剤をかけておけば雑菌は倒せる」と安易に考えるのは危険です。新型コロナウイルスはエンベロープ型だったのでエタノールで除菌できましたが、これがノロウイルスのようにエタノール耐性のあるウイルスだったら、飲食店に塩素臭のする次亜塩素酸ナトリウムが設置されていたことでしょう。

だからこそ、カビ取り・防カビ施工やハウスクリーニングでは、汚れと菌を見極めて洗剤を選ぶ必要があるのです。

洗剤を弾く菌とは?

表面張力で洗剤が水玉になりカビに浸透しない様子
洗剤が水玉になり浸透していない
浸透剤を配合すると洗剤がカビに染み込む様子
浸透剤を配合すると染みわたる

左の画像は、ある種のカビに「アルカリ電解水」「防カビ剤」「酸性洗剤」「除菌剤」「水」などを滴下したときの写真です。洗剤が表面張力で水玉になり、浸透できていません。これはエアコンや室内に発生するカビも同様です。

そこである浸透剤(界面活性剤ではない)を配合すると、あっという間にカビへ染みわたります。ただし実際のお掃除では対象素材へのダメージも考慮しなければならないため、熟練した技術者が洗剤を選んで対応する必要があります。

室内で使うなら界面活性剤の少ない洗剤を

稀麗ちゃん
稀麗(KIREI)「カビが取れた=終わり」じゃないの。実は残った洗剤の成分が、次のカビを呼んじゃうことがあるんだよ💦

【プロの教訓】界面活性剤の多いカビ取り剤(や洗剤)を室内で使うと、界面活性剤が残留します。残った界面活性剤はベタつくため、ホコリ・チリが付着しやすくなります。

結果として、せっかく綺麗にしても微量の界面活性剤の残留がカビの再発につながるのです。だからこそ、部屋で使うものはなるべく界面活性剤が少ないものを選ぶのがおすすめです。

洗剤を選ぶ

さまざまなカビ・汚れと戦っていると、毎回このタイプのカビが発生しています。エアコンも同様です。エアコン高圧洗浄機でアルミフィンを洗っても、この種のカビが発生していると洗剤がまったく浸透していない場合があり、適切な洗剤を使わないとエアコンがすぐにカビだらけになってしまいます。

また洗濯機では、衣類洗剤を嫌がって洗濯槽の上部やクズ取りネットに移動して繁殖します。部屋では、カビにとって住みやすい多湿の場所に移動して汚染します。そのためカビ取りでは、除菌作用の弱いエコ洗剤などではなく、エタノール濃度70%や塩素系カビ取り剤で一撃必殺する必要があるのです。

JUNSENDO
JUNSENDOちなみにカビ自体は弱酸性ですが、pH2.5〜8.5の広範囲で生育できます。ナチュラルな洗剤ではすぐにpH値が中性に戻ってしまうので、除菌できない可能性があります。

その現場で見極めて洗剤を選ぶ

菌によってさまざまな耐性があり、汚れによって使う洗浄剤が変わるので、当店では常に数種類の薬剤を準備しています。時にはその場で作って洗浄します。適切な洗浄剤を用意しているからこそ、正しく雑菌を除菌してスピーディにお掃除できるのです。

そしてこの技術を、教育機関である一般社団法人抗菌防カビ清掃技術研究所↗で教えています。微生物や汚れによって洗剤・除菌剤の効果は大きく変わるため、当店では常に情報を蓄積して挑戦を続けています。

皆さんが依頼しているハウスクリーニング業者は、雑菌を見極めて洗剤を使っているでしょうか。以上が、菌や汚れを見極めてお掃除する理由です。

よくある質問(Q&A)

塩素系カビ取り剤をかけておけば、菌は倒せますか?
いいえ。塩素系でも倒せない菌、エタノールで倒せないウイルス、洗剤を弾く菌、薬剤から逃げる菌が実在します。「かけておけば大丈夫」とは限らず、菌と汚れを見極めて洗剤を選ぶ必要があります。
ナチュラル洗剤(エコ洗剤)でカビは除菌できますか?
カビはpH2.5〜8.5の広い範囲で生育します。ナチュラル洗剤はすぐにpHが中性へ戻るため、除菌しきれない可能性があります。確実に除菌したい場合はエタノール濃度70%や塩素系カビ取り剤が向いています。
部屋のカビ取りに、界面活性剤の多い洗剤を使ってもいいですか?
おすすめしません。残った界面活性剤はベタついてホコリ・チリを呼び寄せ、微量の残留がカビの再発につながります。室内で使うなら、界面活性剤の少ない洗剤を選ぶのが安全です。
なぜプロは数種類の洗剤を使い分けるのですか?
菌の耐性や対象素材へのダメージを見極めるためです。同じカビでも素材や状態で最適な洗剤が変わるため、当店では常に数種類を準備し、現場でその都度調合することもあります。

カビでお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

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